« 2008年3月 | トップページ | 2008年5月 »

2008年4月

脱脂粉乳のタンパク質・脂質複合体による食品由来ウイルスに対する感染阻害機能の評価

脱脂粉乳中の糖タンパク質・膜脂質複合体の構成成分の同定と機能解析@名古屋大学大学院生命農学研究科(PDF 87(22/23))

5.脱脂粉乳のタンパク質・脂質複合体による食品由来ウイルスに対する感染阻害機能の評価

 昨年度の研究により、脱脂粉乳中の糖タンパク質・脂質複合体にヒトロタウイルスの培養細胞への感染を阻害する活性が存在する可能性を示唆した。その阻害機構は、膜タンパク質と脂質、特に膜小胞の複合体は、細胞表面を模倣しており、ウイルスの細胞表面への接着や細胞膜との融合を競合的に阻害するものと推定される。このような感染阻害機能を評価するには、現時点では、感染力(増殖能)を持つウイルスを培養細胞や鶏卵などに感染させて、その増殖度を測定する方法でのみ可能である。しかし、感染力のあるウイルスを用いるには安全性や設備などの問題で簡便に行うことは難しい。また、食品由来ウイルスの中には、生体に感染した場合でのみ増殖し、培養細胞では感染・増殖しない種類のものもあり、この場合には、実験室レベルでの評価は困難である。
 一方、ウイルスのコートタンパク質などのウイルスの粒子を形成するタンパク質をコードする遺伝子を動物細胞に導入して強制発現させると、各組換えタンパク質が自己会合してウイルス様の粒子を形成して宿主細胞から放出されることが知られている。このようなタンパク質会合体は、ウイルス様粒子(viral-like particle, VLP)と呼ばれ、DNAやRNAなどの遺伝情報物質を持たないが、電子顕微鏡観察によりウイルスと類似の形態を示すことが報告されている。
 本研究では、食品関連のウイルスについてウイルス様粒子(viral-like particle, VLP)を作成して、腸上皮細胞への吸着・結合能を評価するモデル系の確立を目指して、実験を進めている。現在は、ウイルスタンパク質の発現用遺伝子コンストラクトを作成し、動物細胞に導入してタンパク質を発現させる実験まで進んでいる。今後、ウイルス様粒子の生産を確認し、脱脂粉乳中の糖タンパク質・脂質複合体のウイルス感染中和・阻害効果を解析していく計画である。

Sponsored Link

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ミルク抗体が関節リウマチを改善

ミルク抗体が関節リウマチを改善@アサマ化成、旭川医大、米Chondrex社ほか、リウマチ学会で発表

ウシIgG(ミルク抗体)を5%以上含むホエーたんぱく質濃縮物(WPC)素材「アサマ乳清たんぱく」を1日10g、3週間摂取したら、関節リウマチの症状が改善した──。2008年4月20-23日に札幌市で開かれる第52回日本リウマチ学会総会・学術集会で、片山整形外科リウマチ科クリニック、旭川医科大学整形外科、米Chondrex社(ワシントン州、寺戸国昭社長)、アサマ化成のグループが臨床試験の成果をポスター発表する。

 関節リウマチの環境因子としては、腸内の悪玉菌が作る毒素が関係しているという仮説に基づき、リウマチ患者を対象にした臨床試験を07年1月に開始した。18例を対象にした臨床試験で、うち8例は専門医が有効と判定、この8例をより厳しい評価基準で判定しても4例は有効なケースと判定された。

 共同研究先のChondrex社は、寺戸国昭社長が米Texas大学で研究していた時代に開発したリウマチモデル作製の動物試薬(抗体試薬)を商品化するために設立した。寺戸社長は、リウマチの病因究明をライフワークとする研究者。片山整形外科リウマチ科クリニックの理事長で、旭川医科大学臨床指導准教授である片山耕氏がリウマチの研究を学びに米Texas大学に留学したときに指導した。

 ウシIgGを含む機能性食品素材としては先に、兼松ウェルネスが事業化している免疫ミルク「スターリミルク」が知られている。単純ヘルペスなどの感染症の予防やリウマチ、アレルギーなどの症状に対して有用というデータの蓄積を進めていることを、兼松ウェルネスは発表してきた。

 このスターリミルクは、ウシに病原性細菌などを経口投与して、積極的に26種類の特定抗原に対する抗体をミルク中に作らせるようにしている。これに対し、アサマ乳清たんぱくは、強制免疫はせず自然に生成するミルク抗体を含む素材だ。

 ウシ生乳に含まれる抗体濃度は平均0.05%程度といわれるが、WPCの中にはウシ抗体を5%以上含むものがある。通常の生乳に比べ100倍以上の抗体が含まれる初乳は、含んでいないという。

 アサマ化成は、テクノスルガに依頼したT-RFLP解析により、ミルク抗体を摂取すると腸内の善玉菌が増える効果も確認している。同社はこれらの成果をもとに06年にラクトライフを設立し、アサマ乳清たんぱくを配合した「母乳のチカラ」を発売して健康食品事業を開始した。

 一般的な消費者向け商品の価格を比較すると、アサマ乳清たんぱくを配合した「母乳のチカラ」は、1カ月分がおよそ4000-5000円。スターリミルクの半額以下に設定しているという。

Sponsored Link

| | コメント (0) | トラックバック (2)

若手小児科医に伝えたい母乳の話

若手小児科医に伝いたい母乳の話@日本小児科学会栄養委員会(PDF 4ページ目)

 3) タンパク質
 成熟母乳中にタンパク質は0.8~0.9%含まれ,母親の栄養状態によって影響を受けないとされています.カゼインと乳清タンパク質40%および60%の割合で含まれます.sIgA,ラクトフェリン,リゾチーム,免疫グロブリン,酵素などは,病原微生物の成長を抑制して殺したり,細菌などが未熟な小腸粘膜を通過して生体に侵入することを抑制し,ビフィズス菌の腸内での成育を促進して病原微生物から体を守る作用があります.また,ラクトフェリンは細菌の成育を阻止したり,鉄吸収促進や腸管粘膜を活性化します.
 多くの乳清タンパク質は細菌を抑えるリゾチーム,リパーゼ,α-アミラーゼ,抗タンパク質分解酵素,ラクトペルオキシダーゼなどの酵素作用を示します.少量のカゼインとβカゼインより構成されるカゼインはカルシウムやリン酸などの無機イオンと結合して小型のミセルを形成します.その結果,乳児の上部小腸内で軟らかくフワフワした凝集塊すなわちソフトカードを形成してカゼインの消化を助けます.

Sponsored Link

| | コメント (0) | トラックバック (0)

下痢のウイルス感染阻害

下痢のウイルス感染阻害@共同通信

下痢のウイルス感染阻害  チーズ製造時の副産物

 子どもの重い下痢の原因となる「ロタウイルス」の感染を強力に妨げる物質が、牛乳の乳清タンパク質に含まれていることを、岐阜大の金丸義敬教授(食品機能化学)らの研究グループが22日までに突き止めた。  この物質が牛乳からチーズを製造する際に捨てられる部分に含まれていることも判明。金丸教授は「チーズの副産物を工業規模で感染予防食品の素材として生かせるのではないか」としている。  ロタウイルスは激しい下痢や脱水症状を引き起こし、発展途上国を中心に世界で年間約60万人の乳幼児が死亡する原因となっている。日本でもほとんどの子どもが感染するが、入院治療を必要とするケースは少ない。

Sponsored Link

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ロタウイルス感染阻害活性を有する新規糖タンパク質

ロタウイルス感染阻害活性を有する新規糖タンパク質@J-tokkyo

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、新たなロタウイルス感染防御用組成物並びにロタウイルス感染防御に有用な飲食品、医薬組成物及び飼料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、ウシ乳清中に見出される糖タンパク質に強力なロタウイルス感染阻害活性を見出した。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] ウシ乳清中に見出され、SDS-PAGEで測定される分子量が15~20kDa、等電点pIが6~9であり、N末端から5残基のアミノ酸配列が(1)Ser-Ser-Arg-Gln-Proであることを特徴とするロタウイルス感染阻害活性を有する糖タンパク質。
[2] ウシ乳清中に見出され、SDS-PAGEで測定される分子量が14~19kDa、等電点pIが6~9であり、N末端から7残基のアミノ酸配列が(2)Ile-Leu-Lys-Glu-Lys-His-Leuであることを特徴とするロタウイルス感染阻害活性を有する糖タンパク質。
これら[1]及び[2]の糖タンパク質は、ウシプロテオースペプトン溶液に硫安を加え、55~90%の飽和度で得られる沈殿物を採取し、それを分画することによって得られるものであることが好ましい。
[3] 前記[1]又は[2]記載の糖タンパク質を含むことを特徴とするロタウイルス感染防御用組成物。
[4] 前記[3]記載のロタウイルス感染防御用組成物を含む食品。
[5] 乳児用食品、幼児用食品、授乳婦用食品、高齢者用食品、病者用食品、保健機能食品、サプリメントからなる群より選択される前記[4]記載の食品。
[6] 前記[3]記載のロタウイルス感染防御用組成物を含む医薬組成物。
[7] 前記[3]記載のロタウイルス感染防御用組成物を含む家畜飼料。
[8] ウシプロテオースペプトン溶液に硫安を加え、55~90%の飽和度で得られる沈殿物を採取し、それを分画することを特徴とする、前記[1]又は[2]記載の糖タンパク質の製造法。
【発明の効果】
本発明によりロタウイルス感染阻害活性を有する新規糖タンパク質が提供される。

Sponsored Link

| | コメント (0) | トラックバック (1)

ミルクタンパク質摂取による運動能力向上とその抗疲労作用の機構に関する研究

ミルクタンパク質摂取による運動能力向上とその抗疲労作用の機構に関する研究@京都大学大学院農学研究科 伏木 亨(PDF)

[94ページ(18/20)]
 本研究ではまず食餌摂取のみの安静状態で動物の代謝状態に変化があるかどうかを確認したが、この実験で用いたカゼイン、ホエー、ダイズタンパク質のいずれも有意な変化を示さなかった。これに対し、トレッドミル走行によって中程度の運動強度で運動を負荷した場合、ホエータンパク質を摂取した群で呼吸交換比が低く推移する傾向がみられた。これは持久運動を行う上で脂肪酸代謝が優位となっていることを示す。実際に脂肪酸酸化量を計算すると他の2群に比べてその量が大きいことがわかった。血中のエネルギー基質濃度を測定した結果、これを裏付けるようにホエー群で遊離脂肪酸濃度の有意な上昇とその不完全代謝物であるケトン体の上昇傾向が観察された。このような結果は運動前のホエー食摂取が持久運動を行う上で有利になる可能性を示すものである。

Sponsored Link

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年3月 | トップページ | 2008年5月 »